一般社団法人 京都経営者協会は、昭和21年3月、終戦直後の混乱期に、労働組合運動が活発になる中、「経営者よ、正しく強かれ」という高邁な理念の下に京都の経営者が集まり、公布されたばかりの労働組合法を正しく理解しながら、自らの経営を合理化し、健全な労使関係を構築することで、会社の成長と京都経済の発展、日本経済の復興を目指して創設されました。
以来、70年を越えて「自己研鑽と教育」と「『経営と人』の問題に正面から取組む」事を2本の柱に据えて活動しています。
足下の日本経済は、異次元の金融緩和と積極的な財政政策、海外経済の活況などによって、デフレではない状況にまで回復してきました。その中で大手企業はおしなべて増収・増益が続くなど活況を呈しています。一方で、中小企業はこうした経済の活況を受けて、業績が改善している会社もあるものの、人手不足がもたらす操業や成長の天井感と賃金コストの上昇、さらには原材料価格の上昇などが収益を圧迫しており、中小企業全体としては、なお、総じて業況は厳しいというのが実情ではないでしょうか。
中長期的には、少子高齢化が社会的にも経営的にも様々な問題を引き起こすとともに、IoTやAI等を核とした第四次産業革命と言われる技術革新の大きなうねりが巻き起こっています。
こうした新たな技術革新は、革新的な生産性の向上を実現し少子高齢化の問題を克服する力になるのに加えて、新事業・新産業創出のチャンスとなる一方で、新たな雇用問題を引きおこすのではないかとも言われております。今、こうした大きな変化を見据えながら、経営の革新をいかに進めていくかが問われていると思います。
こうして少子高齢化と新しい技術革新のうねりの中で起こる様々な問題が「経営と人」に関わる問題である事を考えると、今こそ、京都経営者協会は70年を超える歴史の中で培ってきた本領を発揮し、これらの問題に真正面から取り組み、会員企業の発展と京都経済の活性化、日本経済の成長に繋げていく秋(トキ)であると考えます。
そのため、経営者協会としては、会員のニーズ、とりわけ中小企業の抱える問題や課題をしっかりつかみながら、それに対応した施策を一丸となって取り組んでいきたいと考えておりますので、更なるご協力ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 京都経営者協会 代表理事 小畑 英明