第三部会研修会「香道」体験の会
2017年3月6日、第三部会研修会として「香道」体験の会を開催しました。
その会に参加してくださった会員企業のスタッフの方が、体験記を寄稿してくださいましたので、ご紹介させていただきます。
「香道」体験の会に参加させていただいて
3月6日(月)、第三部会企画の「香道」体験の会に参加させていただきました。
今回お世話になりましたのは、江戸明和~寛政年間創業の京都の老舗香木店、山田松香木店様(やまだまつこうぼくてん)です。会場である「伝承香房」に近づくにつれ、ふわりとお香の香りがただよってきて、これから始まる香道体験に期待がふくらみました。
山田松香木店様の「伝承香房」。あたりには、お香の良い香りが立ちこめていました。
まず、山田洋平専務様から、「香木」「香道」とは何かというご説明をいただき、その後スタッフのみなさまから、今回体験する組香「源氏香」や基本的なお作法について、詳しく解説いただきました。
山田松香木店の山田洋平専務様、スタッフのみなさまが、香道について分かりやすく教えて下さいました。
五種類の香木それぞれを5個に分けて、合計25個として封印します。その封印された25個の香木から、あらかじめ今回の体験学習用に五つを選び出してありました。
しーんと静まり返った会場の中で、五つの香木が順次開封され「香炉」の上に乗せられ焚かれてゆきます。
香炉の灰には、丁寧に模様が付けられています。
静かに心を傾けて、香りを聞きます。日常を離れた優雅なひとときです。
焚かれた香炉は前の席の方から順次送って来られ、事前に教えていただいたお作法に則って、香を聞いていきます。「香道」では、香りを「嗅ぐ」とは言わず「聞く」と表現するそうです。確かに、静まりかえった会場では、「聞く」のがふさわしいように思いました。
順番に回ってくる五つの香炉の香りを聞いていき、この五つの内、何番目と何番目が同じ香りなのか、あるいは違う香りなのかを当てると言う実に優雅な遊びです。それぞれの香りについて、香道で言われる「甘(かん)、酸(さん)、辛(しん)、鹹(かん)、苦(く)」の「五味(ごみ)」の組み合わせで覚えたり、自分なりのイメージ、例えば「雨上がりの香り」など過去の記憶と結び付けて香りを覚えます。
五つの香りが同じか、違うかの自分が判断した組合せを、「源氏香の図」と言う表に基づき選択します。源氏物語は全部で54帖ありますが、この組香は52種類であるため、源氏物語の最初の「桐壷」と最後の「夢浮橋」を除いた52帖の名前が付けられたそうです。
源氏香の図。
約30名で参加いたしましたが、完全に正解(「玉(ぎょく)」と呼ばれ、五点)した方はおられず、四点の方が最高で3名おられました。スタッフの方のお話によると、何年も香道を続けている人であっても、邪念があるとなかなか正解にたどり着けないそうです。「道」とつくものは、奥が深いと感銘を受けました。
厳かな体験学習をさせていただいた後は、参加者のみなさまと「香道体験」を肴になごやかな懇親会となりました。大変、充実した時間を過ごさせていただいたとともに、みなさまとの触れ合いを通じて明日からの仕事の活力をいただくことができました。
京都経営者協会第三部会幹事のみなさま、事務局のみなさま、そしてご協力いただいた山田松香木店のみなさまには、京都の伝統を感じることができるこのような研修会を企画していただき、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。これからも、このような素晴らしい研修会に参加できることを楽しみにしております。
参加した方からの一言
会場の山田松香木店様に向かう道中(20mほど手前)から、すでに香木の香りが漂っていました。日常とは違う雰囲気を感じつつ到着したお店は本当に立派な佇まいで、幾分緊張もしていたのですが、香木の香りに包まれ終始和やかに、贅沢な時間をすごさせていただきました。
会員企業様とさまざまなお話で盛り上がった懇親会では、今後の活力をいただき、大変充実した一日でした。
ご企画下さった幹事会員様、事務局のみなさま、どうもありがとうございました。
(K)
貴重な体験会に参加させていただき、大変勉強になりました。京都に勤めていると、いつでも珍しい京都の文化に触れられると思ってしまい、却ってこのような経験をしてきませんでした。遠方からの友人が来た時に、自信をもって案内できる場所が一つ増えました。
懇親会では、おいしいお酒としゃぶしゃぶをいただきました!今回は同世代の女性の参加者も多く、気負いせずに楽しい会でした。また参加したいです。(T)
初めての香道。集中して「香りを聞く」ということは、日常生活であまりしないことですが、なんとも不思議な時間でした。「香道」の世界に触れることができて、良かったです。
懇親会では、多くの会員企業様と楽しくお話させて頂きました。今後、仕事で困ったことが出てきた際には、ご相談できると心強く思っております。研修会の参加が初めての方でも、お一人でも、会員企業様や事務局の方々が優しくお声掛け下さるので安心です。楽しい会ですので、ぜひご参加されてはいかがでしょうか。(M)